ボイストレーニング

sayuminsayumin2006-11-25



8期オーディションで合宿が取り入れられるかは分かりませんが、今までの合宿の中で、最大の見せ場の一つである、ボイストレーニング。非常に厳しい先生や、セクハラ先生など多くの名場面を見ることができた。


そんな中で、オイラにとって、一番印象に残っているのは、道重さゆみというアーティストのトレーニング。この場面を見るたびに、自分の小学校3年生の梅雨の時期のとある日の音楽の時間を思い出す。


小学校3年生ともなると、本格的な音楽の時間が始まり、オイラの学校には音楽専門の先生の授業となる。校舎とは少し離れた、音楽専門の建物で授業が行われる。


この頃、とっても内気で、身長はクラスで前から2番目で、目立つタイプの子供ではなかった。6月にもなると、若い女性の音楽の先生は、生徒の特徴をつかむようになってきた。


今でも、そうですが、この頃から自分で気づいていたことで、音感が全くと言っていいほどなく、自分の歌う歌が恐ろしいくらい音痴でヒドイ。なので、ハロプロお得意の口パクで、この音楽の時間を切り抜けていた。


口パクをしていたのには、いくつか理由があって、まず、第1に、内気な性格と併せて自分の歌が下手なので周りに聞かれるのが恥ずかしい。そして、その次には、自分が歌うことによって、みんなの上手な合唱の足を引っ張ってしまう。そんなら、一層のこと、声を出さない方がいいのではないかっていうこと。


ただ、プロの先生っていうのは、口パクをちゃんと見抜くようで、オイラに対して、恥ずかしがらずに大きな声で歌うようにというご指導をしてくれた。オイラは、それでも、懲りずに必死になって口パクをし続けていた。


見兼ねた先生が、授業の最後の5分くらいのころ、オイラを前に呼び出し、マンツーマン指導が始まりました。その間、他の生徒は、着席してオイラを見ていた。


先生が、オルガンのドの音を鳴らし、「はい、ドーって、これと同じように歌ってみて」。小さい声で「ドー」って言うオイラ。音感のないオイラでも、違う音が出ているのも分かった。先生は、大きい声で歌わないと「ちゃんとできないよ」って言った。


次にできるだけ、大きい声で「ドー」って言ったけど、全くもって違う音が出ている。周囲の生徒は、既に飽き始めて、おしゃべりでざわついている。


オイラは、チラチラ時計を見ながら、早くチャイムが鳴らないか気にしながら、このボイトレを受けていた。全く、オイラの発声に進展が見られないまま時間は過ぎていき、チャイムが鳴ったので、これで開放されると思ったら、先生は、「みんなは教室に戻って」。

オイラだけ、音楽室待機。ということで、先生とマンツーマンの指導が続くことが決定。

先生は言った。「ドレミファソラシドができるようになるまで、授業を続けます」って。きっと、音楽の先生になるくらいの人なので、音を楽しむことができる人なんでしょうが、オイラにとって、歌を上手く歌えるようになるための苦しみを楽しめるような気分にはなれていなかった。


ドーとかミーとか鍵盤を先生が押し、「違うの分かる?」「はい」と小さく返事するけど、実際に発生すると、全く同じ音の声が出てくる。だから、先生は、「分からないなら分からないってハッキリ言ってくれないと、うまく教えられないから、ちゃんといいなさい」って痺れを切らしはじめだした。


授業と授業の間の休み時間も終わり、4時間目が始まりだしていた。オイラは、どんどん混乱していって、次第に、声は聞き取れないくらい小さい声になっていた。さすがに、先生もイライラして、「ちゃんと歌えるようになりたいでしょ。」「だったら、ちゃんと声を出しなさい」って語気を荒げた。オイラは、「先生が勝手に教えているだけで、頼んだ覚えはない」って心に思いつつも、先生には逆らえない訳で、なんとも言えない悔しさがこみ上げてきて、涙ぐんでいた。そうすると、益々歌えなくなり、悪循環が始まる。


それでも、先生はオイラに音楽の楽しさを教えるために、オイラへの苦行を続けていた。ソーの音まで来た頃には、オイラは嗚咽をしながらの発声となっていた。先生も諦めたようで、「声をちゃんと出せば、ちゃんと歌えるようになるんだから」って、言って、オイラを開放してくれた。


ヒックヒックしながら、音楽教室を出たら、かなり大雨が降っていた。そこには、友人の古村君が傘を差して待っていてくれた。教室の傘たてには、傘が立ってないことに気づいた彼は、オイラを待っていてくれた。そして、何も言わずに傘に入れてくれた。この優しさに、とっても胸が締め付けられるホド感謝し、友人っていいなぁって思った。


どうでもいい話を長々と書いてしまったが、この傘とセクハラ先生の「何か暖かい飲み物を持ってきてあげてください」って言葉には、似たような暖かさを感じる。






できたら、合宿があって、そこで、チャレンジしている姿を見ていきたい。あるいは、モーニング娘。に加入した後の、トレーニングの過程なども、十分な時間を取り上げて欲しい。その成長の結果も大事ですが、成長の過程からファンの想いっていうのは深まっていくと思いますので。